【ピアノのゆふべ】木内 貴大さん

◆メッセージ
この度は大変貴重な演奏機会を戴きまして、誠に感謝しております。
新型コロナウィルスに関するニュースが毎日のように流れる中、どこかに心の平和を求める自分を感じる…そんな日々を送っております。しかし不安になってしまう時だからこそ、音楽という芸術が持つ「安らぎとパワー」を信じ、収録まで準備を重ねてまいりました。
今回は無観客の映像収録という形でしたが、客席のお客様をイメージしながら演奏させていただいております。ピアノソロを大ホールで弾かせていただいた贅沢な時間…その雰囲気を、皆さまにお届けできましたら幸いです。

最後に、Js文化フォーラムの皆さま、サンテラスホール関係者のみなさま、支えてくださった皆様方に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


木内貴大 (きうち たかひろ)

ピアニスト・シンセシスト・サウンドクリエーター。
清泉女学院短期大学講師。楽曲の制作・提供の音楽事務所 「音工房クララ」 代表。U演奏家協会
会員。佐久演奏家協会会員。小諸高等学校音楽科卒業。武蔵野音楽大学大学院音楽研究科器楽専攻(ピアノ)修了。
ピアノを4歳より島田紀美子、高坂朋聖、コンスタンチン・ガネフの各氏に師事。日本クラシック音楽コンクール全国大会大学の部入賞。
コンチェルト含むソロ・アンサンブル活動やソリスト伴奏、コンクール審査員、合唱伴奏・指導他、作編曲活動。ピアノ教室で後進の指導に当たる。U演奏家協会公演「そんねんまくコンサート」「夏は来ぬコンサート」などに出演。
2016年サントミューゼ大ホールの「木内貴大ピアノリサイタル」では所属する「上田アンサンブル・オーケストラ」とコンチェルトの協演。
DanceArtPro主催の「Stella」、「Smoke」にて、コンテンポラリーダンスやライブペイントとの舞台を共演。今年3月には「音工房クララプレーヤーズ春色デビューコンサート」を開催。演奏・指導以外では映像や舞台、施設などの各種BGMを受注制作する。編曲や楽譜の浄書も行う。

エリーゼのために / L.v.ベートーヴェン

ベートーヴェンのなかでも大変有名なピアノ作品。どこかで聴いたことがある美しい旋律に、イ短調を基本としたアルペジオが折り重なります。途中で長調にかわり明るいフレーズが差し込むかと思えば、後半は低音部が長く同じ音を刻み続け、緊張感を醸し出します。冒頭の主題は度々登場し、最後もその旋律で優しく締めくくられます。
この「エリーゼ」という名前、親しかったテレーゼという女性のため?いや、ソプラノ歌手のエリザベートのためではないか?と諸説あるようです。

ピアノソナタ第8番 ハ短調 「悲愴」 第3楽章 作品13 / L.v.ベートーヴェン

第14番「月光」および第23番「熱情」と合わせて、ベートーヴェンの「三大ピアノソナタ」と呼ばれることもある作品のひとつ。
これぞベートーヴェンといえる劇的な印象の第1楽章に比べ、今回の第3楽章は簡素なロンド形式に仕上がっています。軽快な動きの伴奏に耳にスッと入ってくるメロディ。場面転換に現れる転調は基本のハ短調と相性が良いのですが、繰り返される主題の影で時おり不穏な雰囲気が漂ってきます。徐々に、時には突然と変わる強弱に、スタッカートとレガートの交錯。分かりやすい曲だからこそ単調にならないように、曲全体をどう仕上げるかが問われます。

「モンタギュー家とキャピュレット家」 (バレエ組曲「ロミオとジュリエット」からの10の小品) 作品75/ S.プロコフィエフ

冒頭のメロディーを聴くと、あのCMを思い出す方も多いかも知れません。『ロミオとジュリエット』のなかでもBGMなどで引用されるおなじみの楽曲です。
シェイクスピアの戯曲作品を元にバレエ音楽を作曲したプロコフィエフですが、別に演奏会用組曲として管弦楽版を3組、ピアノ版を1組を書きました。その管弦楽版が先に披露され、バレエ作品の初演に至ったそうです。バレエ組曲版では第13曲「騎士たちの踊り(Dance of the Knight)」がこの曲にあたります。
楽譜冒頭の指示は”Allegro pesante” 。
Allegro(アレグロ)は「速く」という速度標語ですが、対してpesante(ペザンテ)は「重々しく」という発想標語です。テンポは前向きでも決して前かがみにならず、一歩一歩踏みしめながら演奏しました。

撮影日:令和2年8月19日

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