【ピアノのゆふべ】西村 夏葵

【ピアノのゆふべ】西村 夏葵

西村夏葵さんより

いつもお客様の前で直接演奏させていただく時とは異なり、カメラや音響の前で収録するといういう全く違う特別な緊張感の中で手が震えましたが、私なりの音楽を表現しようと心して演奏させていただきました。
自分の音楽に改めて深く向き合う機会をいただけたこと感謝しております。撮影・録音の際には細かなところまでお気遣いいただき温かい雰囲気の中で演奏できました。
お話をいただいた時から、この企画に対してスタッフや関係者の皆様がとても熱い想いで臨んでいらっしゃることが常に感じられ、そのような企画に参加させて頂けたことが本当に幸せです。
コロナ禍で音楽は人々の暮らしの中で必要なものなのかどうか問われることもありますが、芸術は人々の心を豊かにする力が必ずあると信じて、これからも音楽と向かい合っていきたいと思います。

ピアニスト 西村夏葵 プロフィール

長野市出身。5歳よりピアノを始める。桐朋学園大学音楽学部音楽学科ピアノ専攻卒業。第21回長野県ピアノコンクール大賞受賞。第25回ピアノ教育連盟ピアノオーディション入賞(最高位)。第9回ピアノ教育連盟フレッシュコンサートに出演。第31回霧島国際音楽祭のマスタークラスを修了。長野県ピアノコンクール30周年記念コンサート出演。その他、松代ワンコインコンサートや加藤晃氏プロデュースの竹風堂ソナチネチクルスなど多数のコンサートに出演。また2010年に大学同期3人でクラリネットトリオ”ルイエ”を結成し、演奏活動を行っている。
これまでにピアノを丸山ゆり、深沢雅美、岡部由美子、玉置善己、若林顕の各氏に、室内楽を寺西昭子、藤井一興、堤剛、法倉雅紀、鈴木良昭の各氏に師事。現在、ソロ・室内楽・伴奏等の演奏活動を行う傍ら、ピアノ講師として後進の指導に当たっている。

ピアニスト 西村夏葵 演奏曲

「きらきら星変奏曲K.265」モーツァルト

 1781-1782年頃に作曲されました。この作品の元になったのは、当時フランスで流行していた「ああ、お母さん、あなたに申しましょう(Ah! vous dirai-je, maman)」という恋の歌(シャンソン)でした。
これをモーツァルトはピアノ用に編曲したのです。そのため正式には『「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲』と呼ばれています。冒頭の有名なきらきら星のメロディーが多彩に変奏されていく様子を楽しんでお聴きいただけましたら幸いです。

「愛の夢 第3番」リスト

 もともとはソプラノのための独唱歌曲として書かれた作品ですが、リスト39歳の1850年にピアノ独奏曲として作曲、同年「愛の夢-3つのノクターン」として出版されました。
 この第3番の「おお、愛しうる限り愛せ O lieb, so lang du lieben kannst!」から始まる詩は、恋愛のことではなく、人間愛をうたったものです。「あなたがお墓の前で嘆き悲しむその時は来る。だから、愛しうる限り愛しなさい。自分に心を開く者がいれば、その者の為に尽くし、どんな時も悲しませてはならない。そして口のきき方に気をつけなさい、悪い言葉はすぐに口から出てしまう。『神よ、それは誤解なのです!』と言っても、その者は嘆いて立ち去ってしまうだろう」という内容になっています。ぜひ大事な人を思いながら聴いて頂けたらと思います。

「幻想即興曲op.66」ショパン

 ショパンの曲の中でも最も有名な一曲であり、ピアノを弾かれる方は一度は憧れを持つ曲かと思います。
ショパンの4曲の即興曲のうち最初に作曲され、ショパンの死後1855年、友人のユリアン・フォンタナの手により『幻想即興曲』(Fantaisie-Impromptu)と題して出版されました。
 一説によるとショパンはこの「幻想即興曲」を気に入っておらず、自分の死後はこの楽譜を燃やしてほしいとフォンタナに頼んだと言われています。ショパンの遺言が事実だとしたら世に出したくない曲が友人の手によって世に出たことになります。
 自分が失敗作だと思っていた曲が、世界中で最も愛される曲の一つになるなんて不思議な話ですね。ショパンの生み出す旋律の美しさがよく表れている曲です。
 

撮影日:令和3年3月3日

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